感染制御部

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感染制御部

箕面市立病院感染制御部の活動

感染制御部には病院内のあらゆる感染対策を担う感染対策チーム(ICT)と抗菌薬の適正使用を支援するチーム(AST)が含まれ、活動を行っています。

1.感染制御部の組織

ICTとASTは、当院の推進しているチーム医療の一環で、院内感染防止対策委員会の下部組織として位置づけられています。また、ICTの下部組織として、主要な部門からリンクスタッフが指名され、ICTと連携しながら活動しています(図1)。

2.活動内容

ICTの役割は、院内感染の発生状況を把握し、適切な措置を講じること、また、対策が確実に行われるように教育・啓発を行い、感染率を下げることです。院内全体の感染防止対策を推進するため、主に、院内回診、感染対策教育・啓発活動、サーベイランスを行っています。
院内回診は、毎月第1・3水曜日に行います。あらかじめ各病棟リンクナースが感染症の患者さまをリストアップしておき、ICT委員と対策について協議します。また、設置されている手指消毒剤が適切に使用されているかなどをICT委員が病棟を巡視します。
サーベイランスは、院内での感染症発生状況を把握し、その情報から疫学・統計学を用いて分析し、現場のスタッフへ改善策を提示し、結果として感染率を下げる活動を指します。当院では、主に感染管理認定看護師が中心となり、薬剤耐性菌、手術部位感染(術後感染)、カテーテルによる血流感染・尿路感染、人工呼吸器関連肺炎、手指衛生のサーベイランスを行っています。
教育活動・啓発活動では、回診と同じ第1・3水曜日の12時35分からの20分間、昼食の休憩を利用してランチョンセミナー行っており、2018年3月末で404回に達しています。(表1)。また、新規採用の職員をはじめ、地域の医療機関へもラウンド・研修に行ったり、小学生の親子を対象にした手洗い研修(キッズ感染防止セミナー)などを行っています。(図2)
ASTの役割は抗菌薬の適正使用を支援することです。耐性菌の検出を未然に抑えたり、感染症の治療を効果的に行い、副作用の抑制にも注意しながら主治医と協力して治療をサポートしています。

3.感染管理認定看護師について

当院では、感染対策を専門とする認定看護師が活動しています。認定看護師とは、「特定の看護分野において、熟練した看護技術および知識を用いて水準の高い看護実践のできる看護師」と定義されています。認定看護師は、日本看護協会の指定する研修を6ヶ月間受け、その後認定試験を合格後に与えられる資格で、専従で感染対策活動を行っています。

4.抗菌化学療法認定薬剤師について

抗菌化学療法認定薬剤師は、日本化学療法学会が認定している資格で、感染症診療支援や、抗菌薬適正使用推進を行っています。

ご紹介

山口 充洋(やまぐち みつひろ)

  • 役職:救急科主任部長、感染制御部部長
  • 専門分野:内科一般、呼吸器、血液、感染
  • 卒業年月:昭和63年3月
  • 所属学会・資格:日本内科学会、総合内科専門医、ICD(インフェクションコントロールドクター)、日本血液内科学会 専門医・指導医 、日本呼吸器学会

四宮 聡(しのみや さとし)

  • 役職:感染制御部副部長
  • 所属学会・資格など:感染管理認定看護師
    日本環境感染学会評議員
    日本医療機器学会
    日本手術医学会
    日本静脈経腸栄養学会
    日本看護管理学会
    米国感染管理専門家協会
    兵庫医科大学医療人育成センター認定看護師教育課程 非常勤講師
  • 著書:介護保険施設のためのできる!感染対策

山路 加奈(やまじ かな)

  • 所属学会・資格など:感染制御認定薬剤師、抗菌化学療法認定薬剤師
    日本病院薬剤師学会
    日本化学療法学会
    日本医療薬学会
    日本環境感染学会

(表1)平成29年度ICTランチョンセミナー

開催回数 テーマ
400回 400記念クイズ大会
401回 小児科肺炎
402回 血管内留置カテーテル感染対策 院内の手順などの紹介
403回 学会の予行
404回 画像検査と感染症
405回 細菌検査結果の見かた
406回 抗菌薬の基礎知識
407回 胆のう炎
408回 ERCP
409回 食中毒
410回 虫垂炎
  • ランチョンセミナーの風景
    ランチョンセミナーの風景
  • 図2:キッズ感染セミナー終了後に参加者に授与する表彰状
    図2:キッズ感染セミナー終了後に参加者に授与する表彰状

5.正しい手洗いの手順