箕面市立病院

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ロボット手術センター

ロボット手術センター始動 ・ START ・

当院はより高度で、かつ患者さんの体の負担が少ない手術を行うため、2015年4月に北大阪エリア自治体病院として初めて、手術支援ロボット「ダビンチ」を導入しました。2015年5月から泌尿器科手術より開始し、その後、消化器外科手術、婦人科手術の分野に拡大させ、ロボット手術に力を入れてきました。

2023年2月、従来の「ダビンチSi」から、最新機種「ダビンチXi」に機種更新し、それに合わせ、ロボット手術センターを開設し始動します。
これからも各科による連携・強化のもと、迅速に手術が出来る体制を整え、より安全で質の高い手術を実施できるように取り組んでいきます。

当院ではこのような病気(疾患)に対応しています 当院ではこのような病気(疾患)に
対応しています

  • 泌尿器科:前立腺がん、腎細胞がん、膀胱がん、先天性腎盂尿管移行部狭窄、腎盂尿管がん 泌尿器科:前立腺がん、腎細胞がん、膀胱がん、先天性腎盂尿管移行部狭窄、腎盂尿管がん
  • 外科:直腸がん、結腸がん 外科:直腸がん、結腸がん
  • 産婦人科:子宮良性腫瘍(子宮筋腫、子宮腺筋症)、骨盤臓器脱(子宮脱、膀胱脱など)、子宮体がん 産婦人科:子宮良性腫瘍(子宮筋腫、子宮腺筋症)、骨盤臓器脱(子宮脱、膀胱脱など)、子宮体がん

さまざまな疾患に対応しているロボット手術について詳しく説明します。

ロボット手術とは? ・ ABOUT ・

手術支援ロボット「ダビンチ」は、アメリカで開発された最新鋭の手術機器です。ロボット特有の機能による支援により、従来不可能とされていた手術操作を可能にします。

従来の手術に比べ、開腹せず、1〜2cmの小さな穴を数カ所開けるだけですので、傷口が小さく、術中の出血量が減少し、術後の痛みも少ないため、術後の回復が早い利点があります。また身体の機能の温存や入院期間の短縮といった患者さんへの負担の軽減が可能になりました。

手術支援ロボット「ダビンチ」を構成する3つの機器 手術支援ロボット「ダビンチ」を
構成する3つの機器

  • サージョンコンソール
  • ペイシェントカート
  • ピジョンカート
  • サージョンコンソール

    術者が操縦席に座り、3Dハイビジョンシステムによる高画質の拡大画像を見ながら、手元のコントローラーでロボットアームに装着した内視鏡・メス・鉗子を両手両足を使って遠隔操作します。術者には相応の技術と経験が必要で、ダビンチ専用のトレーニングを終了し、認定資格を取得した医師が執刀します。

  • ペイシェントカート

    患者さんに体内に直接挿入される4本のロボットアーム。1本は専用の腹腔鏡カメラ、3本は操作用鉗子、メスが装着されています。関節の540度回転など人間の手をはるかに超えた動きが可能で、手先の震えが伝わらない手振れ補正機能があり、精密で安全性の高い手術が可能になります。

  • ビジョンカート

    上部に搭載されているタッチスクリーンモニターには、サージョンコンソールで操作をしている術者と同じ手術中の画像が映し出され、術者以外の手術スタッフ全員で手術の進行状況を共有することができます。またタッチスクリーン上に指で線などを描いて、術者に視覚的な情報を伝えることもできます。

ロボット手術における4つのメリット ロボット手術における4つの
メリット

  • 出血量が少ない

    炭酸ガスで腹腔内を膨らませる(気腹)ために、開腹⼿術に⽐べて出⾎が少なくなります。

  • 術後の回復が早い

    従来の開腹⼿術では⼤きな⼿術痕が残ってしまいました。ダビンチによる⼿術では、腹部に鉗⼦を挿⼊する⼩さな⽳を数か所開けるだけですので、術後の回復が早い傾向にあります。⼿術痕もほとんど⽬⽴ちません。

  • 確実な操作

    従来の腹腔鏡⼿術では⼿元の動きと鉗⼦の動きは逆⽅向となりましたが、ロボット⼿術では同⽅向への⾃然な動きが可能です。ダビンチ独⾃の機能で⼿ぶれも防⽌されます。

  • 立体画像で正確

    ダビンチでは3次元⽴体画像を⾒ながら⼿術ができます。奥⾏きを感じて操作できるため、より正確かつ安全な⼿術が可能となりました。

当院のロボット手術の特徴 ・ FEATURE ・

  • 最新型のダビンチXiで運用

    最新型Xiへのリニューアルにより、運用効率と安全性が高まりました。また手術時間の短縮も可能となり、より患者さんの身体への負担が軽減されます。

  • 高度な医療の提供

    各診療科、ダビンチ専用の手術認定資格を取得した医師、プロクター(ダビンチ手術指導医)が複数人在籍しており、高度な医療を提供します。

  • 先行導入で豊富な実績

    2015年、北大阪エリア自治体病院でいち早く導入した豊富な手術経験、実績を活かし、チーム一丸となって安全かつ確実な手術に取り組んでいます。

各診療科のロボット手術の特徴

  • 泌尿器科

    1. 「ダビンチ」導入10年で経験豊富です。4名全員がダビンチサージカルシステム認定医が担当いたします。 「ダビンチ」導入10年で経験豊富です。4名全員がダビンチサージカルシステム認定医が担当いたします。
    2. 手術時間の短縮、出血量を抑えた手術が可能です。 手術時間の短縮、出血量を抑えた手術が可能です。
    3. 当泌尿器科では国内で保険収載されているおおむね全てのロボット手術を行っています。 当泌尿器科では国内で保険収載されているおおむね全てのロボット手術を行っています。
    4. ロボット手術により、術後早期の復帰が可能です。 ロボット手術により、術後早期の復帰が可能です。
  • 外科

    1. 全ての大腸がんに対してロボット手術を施行できます。 全ての大腸がんに対してロボット手術を施行できます。
    2. 神経損傷を防ぎ、術後の排尿障害、性機能障害を低下させます。また、肛門温存率を高めることが期待できます。 神経損傷を防ぎ、術後の排尿障害、性機能障害を低下させます。また、肛門温存率を高めることが期待できます。
    3. ダビンチサージカルシステム認定医が2名在籍しています。 ダビンチサージカルシステム認定医が2名在籍しています。
    4. ロボット手術100件以上の経験豊富な医師が担当いたします。 ロボット手術100件以上の経験豊富な医師が担当いたします。
  • 産婦人科

    1. 日本産婦人科内視鏡学会腹腔鏡技術認定医/日本内視鏡学会技術認定医が3名在籍しています。※全員がダビンチ手術認定医保有 日本産婦人科内視鏡学会腹腔鏡技術認定医/日本内視鏡学会技術認定医が3名在籍しています。※全員がダビンチ手術認定医保有
    2. ロボット⼿術は⼊院期間が5〜6⽇と短く、術後24時間の鎮痛剤使⽤回数も少ない傾向にあります。 ロボット⼿術は⼊院期間が5〜6⽇と短く、術後24時間の鎮痛剤使⽤回数も少ない傾向にあります。
    3. 通常の腹腔鏡手術と同じ費用で受けることができます。 通常の腹腔鏡手術と同じ費用で受けることができます。
    4. 新たに早期子宮体がんもロボット下手術で対応可能になりました。 新たに早期子宮体がんもロボット下手術で対応可能になりました。

当院のロボット手術の実績 ・ RECORD ・

令和6年3月時点

症例数合計

802

年別手術件数 年別手術件数

各診療科の実績

泌尿器科

令和6年3月時点

対象疾患 術式 症例数 開始年
前立腺がん 前立腺全摘術 474件 2015年
腎細胞がん 腎部分切除術 60件 2016年
根治的腎摘術 9件 2022年
膀胱がん 膀胱全摘術 40件 2018年
先天性腎盂尿管
移行部狭窄
腎孟形成術 7件 2020年
腎盂尿管がん 腎尿管全摘術 15件 2022年
外科

令和6年3月時点

対象疾患 術式 症例数 開始年
直腸がん 直腸切除・切断術 97件 2018年
結腸がん 結腸悪性腫瘍切除術 27件 2022年
産婦人科

令和6年3月時点

対象疾患 術式 症例数 開始年
子宮良性腫瘍 子宮全摘 42件 2018年
骨盤臓器脱 仙骨膣固定術 24件 2022年
子宮体がん 子宮悪性腫瘍手術 7件 2023年

医師メッセージ ・ MESSAGE ・

  • 泌尿器科疾患を幅広く
    ロボット手術でカバーし根治をめざす

    泌尿器科主任部長/ロボット手術センター長 高田 剛 TAKADA TSUYOSHI

    PROFILE
    • 日本泌尿器科学会認定専門医・指導医
    • 日本泌尿器内視鏡ロボティクス学会泌尿器腹腔鏡技術認定医
    • 日本ロボット外科学会
    • 泌尿器ロボット支援手術プロクター認定医(前立腺膀胱領域・腎副腎領域)
    • ダビンチサージカルシステム認定医

    手術支援ロボットダビンチの導入とこれまでの経験により、局所に進行した大きながんや大血管のそばにあるがんの切除のような、レベルの高い手術までもが可能となりました。一方手術に伴う安全性や生活の質の改善も確保され、入院期間は 10 日~14日で、退院後比較的早期にもとの生活に復帰されておられます。

    特に前立腺がんに対するロボット支援前立腺全摘では術後尿失禁や性機能低下をきたしますが、前立腺のそばを走る神経を温存したり、筋肉を縫い合わせる再建によって、機能の低下を最小限にとどめる工夫を行っています。手術時間が短く出血量も少ないことから、体力さえあれば80歳を超える高齢の患者さんでもロボット手術は可能です。

    また、新しく保険診療が認められたロボット手術術式もいち早く導入することをモットーにしており、みなさんの泌尿器科疾患を幅広くロボット手術でカバーできると信じています。

  • 根治性と機能温存を
    両立した大腸がん治療を行います

    外科部長/ロボット手術副センター長 團野 克樹 DANNO KATSUKI

    PROFILE
    • 日本外科学会専門医・指導医
    • 日本消化器外科学会専門医・指導医
    • 日本内視鏡外科学会技術認定医(消化器、一般外科)・ロボット支援手術プロクター(消化器、一般外科)・評議員
    • ダビンチサージカルシステム認定医

    ロボット手術では、これまで技術的に難しいと言われていた直腸がん、結腸がんに対する腹腔鏡下手術の欠点を補い、より安全で精密な手術が可能となりました。

    直腸のすぐ横には排尿や性機能をコントロールする神経の束があります。ロボット手術では狭い骨盤内で自由な動きができることで神経損傷を防ぎ、術後合併症である排尿障害、性機能障害を最小限にとどめることが可能になります。また、直腸がんに対しては可能なかぎり肛門温存手術を行い、直腸周囲の膜を傷つけないで膜にくるんだ状態でがん組織を摘出することで、がんの根治性を高められることも期待できると言われています。

    これからも体に優しく根治性の高い治療をめざしロボット手術に取り組み、患者さんに寄り添いながら、一人一人に最適な治療を考え、患者さんと共にがんと闘って参ります。

  • 最先端の低侵襲手術で
    女性の早期社会復帰を支援します

    副院長/医療技術局長/ロボット手術副センター長 足立 和繁 ADACHI KAZUSHIGE

    PROFILE
    • 日本産科婦人科学会認定専門医・指導医
    • 日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医・評議員
    • 日本内視鏡外科学会技術認定医
    • ダビンチサージカルシステム認定医

    婦人科の手術は女性の骨盤の深く奥まったところまで、繊細な手術操作が必要です。開腹手術では見ることが困難な狭く奥まったスペースをロボット手術では拡大視野で手術することが可能となり、また、腹腔鏡手術よりも制限が少なく、より繊細な操作を行うことができ、正確でより安全な手術が可能となります。

    ロボット手術後、患者さんより「術後非常に生活が快適になった。」「手術してもらって感謝しかない。」といったお声をいただいています。当科では疾患の根治はもちろん、体により優しく、安全性の高い手術を目指しております。

    また、患者さんに安心して治療を受けていただけるよう、治療方針を決定する時から丁寧な情報共有を心掛けております。婦人科の疾患は症状が多様ですので、担当医が患者さんと十分相談の上、治療方針を決めさせていただき、早期の社会復帰をめざして支援していきます。

よくある質問 ・ FAQ ・

「ダビンチ」による手術は誰でも受けられますか?
患者さんの病状や既往歴などにより、「ダビンチ」が適用できない場合があります。適用の可否は医師が判断します。
入院期間はどれくらい必要ですか?
患者さんの状態によって変わりますが、約5日〜14日程です。術後経過が順調であれば術後1週間前後で退院が可能です。
ロボットが手術をするのですか?
ロボットが自動的に手術を行うわけではありません。医師がカメラの映像を見ながら、手術器具を取り付けたロボットアームを操作して手術を行います。ロボットは、医師の手の代わりとなり、細かな動きをして医師の技術をサポートします。手術は認定資格を取得し、トレーニングを積んだ熟練した技術を持つ医師が行います。
ダビンチSiからXiへの機種更新による効果はどのようなものですか?
・鉗子の手首機能の稼働領域が拡大し、より複雑な手技への対応が可能です。
・複雑な手技ができることによる対象症例の増加します。
・手術中での体位変換が装置を装着したまま可能となるなど、手術時間の短縮が可能です。
・ロボットアームの構造変更により、スタッフ配置の制限が生じにくく、運用効率と安全性が高まります。
「ダビンチ」による手術費用はどのくらいですか?
それぞれの疾患によって手術費用は異なります。
当院でのロボット手術は健康保険が適用されますので、高額療養費制度を利用することで負担を少なくすることができます。

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