外科(呼吸器外科、消化器外科、乳腺・甲状腺外科)

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  • 科の紹介
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  • 科の紹介

    消化器外科、呼吸器外科、乳腺・甲状腺外科の3科のほかに小児外科の外来診療も行っております。

    概要

    • 私たちの目指している治療
    • 充分な説明と理解
    • 根治性・安全性・QOLを重視した適切な治療(腹腔鏡・胸腔鏡手術から拡大手術まで)
    • 専門医によるチーム医療(臓器別専門医による検討)

    特色・方針

    外科では年間約700件の手術を行っており、大阪府下でも有数の手術件数です。病気の根治性・手術の安全性・患者様のQOLを重視した治療を目指しています。ガイドラインに沿った治療・手術の安全性の向上を心がけ、良好な手術成績を修めており、その結果箕面市内のみならず、数多くの北摂近隣市町村の患者さんにも来院して頂いております。
    手術の際しては各々の病気に対応したパンフレットを用意し、専門医がわかりやすく時間をかけて説明致します。医師のみならず専門の薬剤師・看護師を配置し、チームとして患者さんの治療に取り組みます。
    「がん診療拠点病院」として、5大がん(胃・大腸・肝・肺・乳)の手術(がん総手術約300件)を中心に取り組んでいます。外来化学療法(抗がん剤)は新たに改装された外来治療室で行っており、専門医による新たな治療法(臨床試験)も試みています。地域のかかりつけ医との連携にも重点を置き、がん術後地域連携(当院とかかりつけ医で共同診療)にも力を入れています。
    また当院は「地域医療支援病院」として、地域医療室やER(救急診療室)と連携し緊急手術にも可能な限り専門医が対応しております。年間約120件の緊急手術を行っています。

    今後の展望

    常に根治性・安全性・QOL向上を目指し、患者さんに安心して手術を受けていただけるような病院であるよう心がけています。

  • 検査・治療案内

    外科・消化器外科で実施している(いない)検査・治療をご紹介しています。

    ■実施している検査・治療

    検査
    1. 内視鏡検査(気管支、胃、大腸、胆道、膵臓)
    2. 超音波検査(甲状腺、乳腺、腹部)
    3. 穿刺細胞診(甲状腺、乳腺、肺)
    4. 注腸検査
    治療
    1. 以下の臓器の良性、悪性疾患

      • 甲状腺、乳腺、肺、縦隔、食道、胃、小腸、大腸、肛門、肝臓、胆道(胆嚢、総胆管)、膵臓、脾臓、腹壁、末梢血管
    2. 低侵襲及び機能温存手術

      • 乳房温存手術:直径3cm以下の乳がん
      • 内視鏡下粘膜切除術:食道がん、胃がん、大腸がん(いずれも早期がん)
      • 鏡視下手術
        (1)胸腔鏡手術:肺がん、縦隔腫瘍、胸壁腫瘍、食道がん、気胸(気腫性嚢胞)
        (2)腹腔鏡下手術:胃がん、大腸がん、胆石症、脾機能亢進症、結腸がん、直腸がん、急性虫垂炎、そけいヘルニア
      • 機能温存手術:直腸がんにおける肛門及び膀胱機能温存手術
      • ロボット支援下直腸がん手術
    3. 日帰り手術(3日入院を含む)

      • 大腸腫瘍に対する内視鏡下粘膜切除術(一泊入院)
      • そけいヘルニア手術(局所麻酔)
    4. その他の治療

      • 肝腫瘍に対する動脈注射化学療法及び電磁波やラジオ波による焼灼療法
      • 閉塞性黄疸に対する経皮経肝ドレナージ
      • 悪性疾患に対する外来通院による化学療法
      • 内視鏡バルーン拡張

    実施していない検査・治療

    【治療】
    1. 放射線治療:必要時は大阪大学附属病院などに紹介
    2. 心臓及び大血管の手術

    外科手術件数

    令和4年度

    部位 術式 K-コード 件数
    甲状腺・副甲状腺 甲状腺部分切除術 K4611 2件
    甲状腺悪性腫瘍手術 K4631,K4633 4件
    乳腺 乳腺腫瘍摘出術 K474 9件
    乳腺悪性腫瘍手術 K476 46件
    胃全摘術 K6572 3件
    幽門側胃切除術 K6552 5件
    腹腔鏡下胃切除術(悪性腫瘍手術) K655-22,K655-52,K657-22 17件
    肝・胆・膵 腹腔鏡下胆嚢摘出術 K672-2 108件
    肝切除 K695,K695-2 14件
    膵切除 K702,K703,K704 8件
    腸・肛門 大腸手術 K719 8件
    腹腔鏡下大腸切除術 K719-21,K719-3 38件
    直腸手術 K739,K740,K742 8件
    腹腔鏡下直腸手術 K740-2 41件
    肛門手術 K743-K748 4件
    肺切除術 K5111-K5116,K514,K517 8件
    胸腔鏡下肺・縦隔切除術 K504-2,K513,K513-2,K513-4,K514-2 56件
    ヘルニア 鼠径ヘルニア K6335 51件
    その他     291件
    合計     721件

    K-コードは医科点数表で定められた手術のコードで、このコードに基づいて保険請求が行われます。
    同時手術を含んでいます。
    手術室で実施された手術について示しています。
    さらに詳しい統計、過去の統計については診療実績をご覧ください。

  • 医師紹介

    消化器外科

    関本 貢嗣(せきもと みつぐ)

    関本 貢嗣(せきもと みつぐ)
    • 役職:総長
    • 専門分野:下部消化管(大腸)
    • 卒業年月:昭和56年3月
    • 所属学会・資格など:日本外科学会 専門医、指導医、代議員
      日本消化器外科学会 専門医、指導医、特別会員
      日本大腸肛門病学会 専門医、指導医、評議員
      日本内視鏡外科学会 技術認定医、評議員
      日本臨床外科学会 評議員
      日本癌治療学会 功労会員
      日本外科系連合学会 フェロー会員
      近畿外科学会 評議員
      Society of American Gastrointestinal and Endoscopic Surgeons
      European Society of Endoscopic Surgeon
      Endoscopic and Laparoscopic Surgeons of Asia
      International Society of Surgery
      International Society of University Colon and Rectal Surgeons

    担当医からのメッセージ

    これまで大学病院で大腸がんの新治療の開発や高難度手術を行ってきました。その経験を生かして最先端の医療を提供するのはもちろんですが、サポートチームと伴に患者さんが安心して治療を受けることができる様努めてまいります。

    岡 義雄(おか よしお)

    岡 義雄(おか よしお)
    • 役職:病院長
    • 専門分野:上部消化管、緩和医療
    • 卒業年月:昭和59年3月
    • 所属学会・資格など:日本外科学会 指導医、専門医
      日本消化器外科学会 指導医、専門医
      日本がん治療認定医機構 暫定教育医
      日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
      日本消化器外科学会 消化器がん外科治療認定医
      日本臨床外科学会 評議員
      近畿外科学会 評議員
      日本内視鏡外科学会
      日本消化器病学会
      日本癌学会
      日本癌治療学会
      日本食道学会
      日本救急学会
      日本手術医学会
      日本緩和医療学会
      日本エンドオブライフケア学会

    担当医からのメッセージ

    胃がん・食道がんなどを中心に手術のみならず化学療法、緩和医療など集学的医療に取り組んでいます。
    安心して安全な手術を受けてもらえるよう、専門性を追求した、質の高い医療を提供したいと思っています。

    平尾 隆文(ひらお たかふみ)

    平尾 隆文(ひらお たかふみ)
    • 役職:主任部長
    • 専門分野:上部消化管(胃・食道)
    • 卒業年月:平成5年3月
    • 所属学会・資格など:日本外科学会認専門医、指導医
      日本消化器外科学会専門医、指導医
      日本消化器外科学会消化器がん外科治療認定医
      日本食道学会評議員、食道科認定医
      近畿外科学会評議員
      日本がん治療認定医機構暫定教育医
      日本胃癌学会
      日本臨床外科学会
      日本臨床栄養代謝学会(JSPEN)

    担当医からのメッセージ

    上部消化管の手術を含めた治療に専念しております。ここ箕面で頑張って行こうと思っていますので、よろしくお願いいたします。

    團野 克樹(だんの かつき)

    團野 克樹(だんの かつき)
    • 役職:部長
    • 専門分野:下部消化管(大腸)、内視鏡外科(大腸)、化学療法(大腸)
    • 卒業年月:平成11年3月
    • 所属学会・資格など:日本大腸肛門病学会専門医・指導医・評議員
      日本外科学会専門医・指導医
      日本消化器外科学会専門医・指導医
      消化器がん外科治療認定医
      日本消化器学会専門医
      日本内視鏡外科学会技術認定医(消化器・一般外科)・評議員
      ロボット手術プロクター(直腸・結腸)
      日本医師会認定産業医
      日本がん治療認定医機構がん治療認定医
      ダビンチサージカルシステム認定医
      近畿外科学会評議員
      日本臨床外科学会
      日本癌治療学会
      日本消化器内視鏡学会

    担当医からのメッセージ

    低侵襲で根治性の高い治療を目指し腹腔鏡下手術に取り組んでいます。また機能温存にも力を入れており、直腸がんに対しては可能なかぎり肛門温存手術を行います。ともに病と闘う仲間として、何でもご相談ください。

    野口 幸藏(のぐち こうぞう)

    野口 幸藏(のぐち こうぞう)
    • 役職:医長
    • 専門分野:肝胆膵外科
    • 卒業年月:平成18年3月
    • 所属学会・資格など: 日本消化器外科学会専門医・消化器がん外科治療認定医
      日本肝胆膵外科学会高度技能専門医・評議員
      日本外科学会専門医
      日本がん治療認定医機構がん治療認定医
      近畿外科学会評議員

    担当医からのメッセージ

    肝臓・胆のう・膵臓・脾臓の悪性・良性疾患に幅広く対応いたします。

    深田 唯史(ふかた ただふみ)

    深田 唯史(ふかだ ただふみ)
    • 役職:医長
    • 専門分野:下部消化管(大腸・肛門)
    • 卒業年月:平成19年3月
    • 所属学会・資格など: 日本外科学会専門医・指導医
      日本消化器外科学会専門医・指導医
      消化器がん治療認定医
      日本がん治療認定医機構がん治療認定医
      日本大腸肛門病学会専門医
      日本臨床外科学会
      日本内視鏡外科学会

    担当医からのメッセージ

    大腸・肛門疾患を中心に診療に携わっています。それぞれの患者さんに最善の医療をご提供できるよう努力していきます。

    武田 和(たけだ たかし)

    武田 和(たけだ たかし)
    • 役職:医員
    • 専門分野:下部消化管(大腸)、化学療法(大腸)
    • 卒業年月:平成23年3月
    • 所属学会・資格など: 日本外科学会専門医
      日本消化器外科学会専門医・消化器がん外科治療認定医
      日本内視鏡外科学会技術認定医(消化器・一般外科)
      ダビンチサージカルシステム認定医
      日本消化器病学会専門医
      日本消化管学会胃腸科専門医
      日本肝臓学会専門医
      日本がん治療認定医機構がん治療認定医
      日本大腸肛門病学会専門医
      日本腹部救急医学会腹部救急認定医
      近畿外科学会評議員

    担当医からのメッセージ

    大腸・肛門領域を中心に診療しています。
    個々の患者さんに最善の治療法を提供できるように、日々尽力してまいります。

    東口 公哉(ひがしぐち まさや)

    東口 公哉(ひがしぐち まさや)
    • 役職:医員
    • 専門分野:肝胆膵外科
    • 卒業年月:平成24年3月
    • 所属学会・資格など: 日本外科学会専門医
      日本消化器外科学会専門医
      消化器がん外科治療認定医
      日本肝胆膵外科学会
      日本臨床外科学会
      日本癌治療学会
      日本腹部救急医学会
      日本ヘルニア学会

    担当医からのメッセージ

    肝胆膵疾患に対する手術や化学療法を安心して受けて頂けるよう、懇切丁寧な診療を心がけます。よろしくお願い致します。

    山本 慧(やまもと けい)

    山本 慧(やまもと けい)
    • 役職:医員
    • 専門分野:上部消化管(食道・胃)
    • 卒業年月:平成25年3月
    • 所属学会・資格など: 日本外科学会専門医
      日本消化器外科学会専門医
      日本食道学会食道科認定医
      消化器がん外科治療認定医
      日本内視鏡外科学会
      日本臨床外科学会
      日本胃癌学会
      日本臨床栄養代謝学会(JSPEN)
      日本癌治療学会

    担当医からのメッセージ

    何より患者さんのため、日々技術を磨き知識をつけるよう心がけております。手術だけでなく、様々な形で患者さんに関われる外科医であるよう一生懸命取り組んで参ります。

    吉村 弥緒(よしむら みを)

    • 役職:医長
    • 専門分野:消化器一般
    • 卒業年月:平成16年3月
    • 所属学会・資格など: 日本外科学会専門医
      日本消化器外科学会
      日本内視鏡外科学会
      日本臨床外科学会

    担当医からのメッセージ

    県立尼崎総合医療センターより異動してきました。外科一般が専門です。宜しくお願いします。

    呼吸器外科

    中根 茂(なかね しげる)

    中根 茂(なかね しげる)
    • 役職:部長
    • 専門分野:呼吸器
    • 卒業年月:平成6年3月
    • 所属学会・資格など:日本外科学会 専門医
      日本呼吸器外科学会 専門医
      日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
      日本胸部外科学会
      日本肺がん学会
      日本内視鏡外科学会
      日本呼吸器内視鏡外科学会
      日本臨床外科学会
      日本結核・非結核性抗酸菌症学会

    担当医からのメッセージ

    肺がん、縦隔腫瘍などの胸部悪性疾患や気胸、膿胸、非結核性抗酸菌症、肺真菌などの胸部良性疾患の患者さんが最も幸せになれる治療を目指します。

    乳腺・甲状腺外科

    豊田 泰弘(とよだ やすひろ)

    豊田 泰弘(とよだ やすひろ)
    • 役職:部長
    • 専門分野:乳腺、甲状腺
    • 卒業年月:平成11年3月
    • 所属学会・資格など: 日本外科学会専門医・指導医
      日本乳癌学会認定医・乳腺専門医・指導医
      日本乳がん検診精度管理中央機構検診マンモグラフィ読影認定医師(A評価)
      日本乳がん検診精度管理中央機構乳がん検診超音波検査実施・判定医師
      日本乳房オンコプラスティックサージェリー学会乳房再建用エキスパンダー/インプラント責任医師
      日本がん治療認定医機構がん治療認定医
      日本医師会認定産業医
      日本内分泌外科学会
      近畿外科学会評議員

    担当医からのメッセージ

    平成31年度より着任しました。乳腺・甲状腺を担当します。責任をもった診療をこころがけますので、なんでもご相談ください。

    山本 仁(やまもと ひとし)

    山本 仁(やまもと ひとし)
    • 役職:特任部長
    • 専門分野:乳腺
    • 卒業年月:昭和54年3月
    • 所属学会・資格など:日本外科学会専門医
      日本乳癌学会乳腺専門医・指導医
      日本乳癌検診学会
      日本乳がん検診精度管理中央機構検診マンモグラフィ読影認定医師(AS評価)

    担当医からのメッセージ

    乳腺疾患を担当します。長年の経験を生かし、乳がんの早期発見、個々の患者さんに適した最良の医療の提供を目指します。

    顧問

    吉川 宣輝(きっかわ のぶてる)

    吉川 宣輝(きっかわ のぶてる)
    • 役職:顧問
    • 専門分野:下部消化管(大腸)
    • 卒業年月:昭和42年3月
    • 所属学会・資格など: 日本外科学会指導医
      日本消化器外科学会指導医
      日本大腸肛門病学会名誉会員
      日本消化器内視鏡学会指導医
      大阪大学講師(元臨床教授)
      関西医大講師
    • 著書:大腸癌―グレードに見合った治療法と早期発見の手段、癌診療Q&A

    担当医からのメッセージ

    「紹介患者に五つ星の治療を」がモットーです。
    地域医療室(072-728-2177)を利用した受診がベターです。
    専門外来:胃腸センター(水曜日)
    大腸疾患について

  • 手術の「傷」の消毒について

    手術を受けられるかたへ

    手術の「傷」の消毒は、以前と違って行っていません。ドレッシング材で保護はしています。きれいな傷は、48時間で上皮化(表皮ができる)し、傷をふさいでしまいます。ふさいでしまった傷には細菌の感染は起こりません。
    よって当院では、手術後のきれいな傷の消毒は行っていません。傷のドレッシング材は48時間が経過したら外しています。

    消毒を続けるとどうなりますか

    消毒薬は蛋白質を変性させて殺菌します。傷を消毒すると菌とともに人間の正常細胞も相当なダメージを受けるといわれています。

    消毒薬の効果は

    消毒薬の効果はどれくらい持続するのでしょうか。
    持続時間は消毒薬によって多少の違いはありますが、通常数分長くとも数時間で効果はなくなり、消毒前と同じ状態になります。消毒をしても傷は無菌にはなりません。

  • 大腸がんについて

    大腸がんについて

    大腸がんにかかる方は年々増加傾向です。かつては日本人には少ないといわれた大腸がんも、食生活の欧米化にともない増加しています。大腸がんになりやすい年齢は 50~75才で、男女比は 1.6:1で男性に多く発症すると言われています。大腸がんの発生原因はまだわかっていませんが、高脂肪、高蛋白かつ低繊維の食事が強く関係していることが明らかになっています。

    大腸がんの症状としては血便、下痢・便秘などの便通異常、腹痛、腹部膨満、貧血などです。この中で起こりやすいのは血便ですが、痔(ぢ)からの出血と間違いやすいので注意が必要です。「おかしいな」と思ったら早めに医療機関を受診してください。また血便と言っても目に見えない血便、いわゆる「便潜血」も多いため市町村で行われるがん検診を受けることも重要です。

    国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」

    腹腔鏡(ふくくうきょう)手術ってどんな手術?

    腹腔鏡(ふくくうきょう)というカメラを使って、小さな創からお腹の中で行う手術を「腹腔鏡手術」「腹腔鏡補助手術」といいます。

    かつてはどの部位の大腸がんでも、お腹を大きく切る必要がありました。しかし近年では進行がんであっても腹腔鏡手術が行われるようになりました。腹腔鏡手術の利点は傷が小さいため、痛みが少なく、回復が早いことです。入院期間も開腹手術と比べ短くすみます。

    またカメラで拡大して見るため、狭い骨盤内でも良好な視野が保つことができ、経験を積んだ医師が担当すれば、開腹手術と安全性に差はないと言われています。ただし、お腹の手術をした経験がありお腹の中の癒着(ゆちゃく)が強い場合には、腹腔鏡手術を行えない場合もあります。

      腹腔鏡手術のメリット
    • 創が小さい(美容的)
    • 創の痛みが軽減
    • 術後の食事開始が早い
    • 出血が少ない
    • 拡大視効果により、微細で緻密な手術が可能
    • 手術に立ち会う医師、看護師全員で視野共有できる
  • 大腸がん治療における腹腔鏡手術とロボット支援下手術のご紹介
    - ロボット支援下手術という新しい選択肢 -

    直腸がんに対するロボット支援下手術(ダビンチ手術)が保険収載されました。

    平成30年4月、直腸がんに対するロボット手術が保険適用となりました。ロボット手術は、これまで技術的に難しいと言われていた直腸がんに対する腹腔鏡下手術の欠点を補い、精密な手術ができるものとして期待されています。

    ロボット支援直腸手術の特徴

    直腸がんの術式は直腸前方切除、直腸低位前方切除、直腸切断術、腹会陰式直腸切断術、直腸括約筋間切除の5術式です。ロボット支援手術では、独立した両目のカメラで撮影される自然な3D画像で立体画像を見ることができます。 また、手術鉗子の先が自在に曲がるので可動域が広くなり、人間の「手」の様な動きが再現でき、これまで技術的に難しいと言われていた直腸がんに対する腹腔鏡下手術の欠点を補い、より安全で精密な手術が可能となりました。

    直腸のすぐ横には排尿や性機能をコントロールする骨盤神経叢があります。ロボット支援手術では狭い骨盤内で自由な動きができることで神経損傷を防ぎ、術後合併症である排尿障害、性機能障害を最小限にとどめることができます。

    さらに骨盤深部でも微細な手術操作が可能となり、男性症例、肥満症例などより難易度が高い症例で力を発揮し 肛門温存率向上にも貢献します。

    また、直腸周囲の膜を傷つけないで膜にくるんだ状態でがん組織を摘出する、全腸間膜切除(TME: Total mesorectal excision)の精度も高めることができ、がんの根治性を高められることも期待できます。

    ロボット支援結腸がん手術について

    2022年4月、ロボット支援手術が結腸にも適応拡大され保険適用となりました。当院ではいち早く導入し、すでに2022年7月までに10例のロボット支援結腸手術を行いました。全症例合併症なく、術後の平均在院日数は8日間と早期に退院されております。 当院は北摂では最も早く、保険医療としてロボット支援結腸手術を行える施設となりました。今後は体腔内での腸管吻合を導入し、より傷の小さい手術を行うことも検討しています。

    ロボット支援下手術の優れた点

    特に骨盤内の神経損傷を防ぎ、術後合併症である排尿障害、性機能障害を最小限にとどめることが可能になると考えられます。また、直腸周囲の膜を傷つけずに膜にくるんだ状態でがん組織を摘出することで、がんの根治性を高められる可能性もあります。

    なお、安全性確保のため、医療機関や術者は制限されてます。当院は施設条件を満たしておりますので、当院でロボット支援下手術(ダビンチ手術)を受ける場合は保険診療となり、通常の腹腔鏡手術と同じ費用で受けることができます。

    当科(外科)における直腸がんに対する診療体制の特色

    「日本内視鏡外科学会技術認定医」が在籍し、腹腔鏡手術およびロボット支援下手術を行う上で安全な体制を整えております。

    「日本内視鏡外科学会技術認定医」は内視鏡下手術を安全、かつ適切に施行する技術を有し、かつ指導するに足る技量を有していることを認定するものです。

    ロボット手術センターのページはこちら

  • 乳腺・甲状腺外科について

    当院は乳腺専門医2名で乳腺・甲状腺疾患の診断と治療を進めています。月曜終日、水曜終日に外来診療を行っております。お電話で予約をいただけますので、何らかの症状がある、あるいは検診で要精密検査とされた、などでご心配であれば、072-728-2013までお電話ください。また、お急ぎの方は予約なしでも対応は可能ですが、待ち時間が生じる可能性がありますのでその点はご了承ください。

    詳しくはこちら

    乳房の症状について

    乳房のさまざまな症状が気になる方が多いと思います。
    乳房のシコリは良性の疾患(のう胞、線維腺種、乳頭腫)のこともあれば、乳癌のこともあります。一般的には若い女性であるほど良性の可能性が高くなります。シコリがある以上は診断をはっきりさせる必要がありますので、必ず専門医を受診してください。乳房の痛みについては、ほとんどがホルモンの変動によるものであり、特に危険な症状とはいえません。乳頭からの分泌は、血の混じった分泌であれば、乳癌あるいは乳管内乳頭腫という良性腫瘍を考える必要がありますので受診が必要です。血の混じっていない少量の分泌は、生理的現象としても起こりえます。以上のように、乳房に症状がある人のすべてが治療を要するわけではありませんが、これらの症状でお悩みであれば遠慮なく乳腺・甲状腺外科を受診してください。

    乳腺・甲状腺外科での検査について

    乳腺・甲状腺外科では、まず問診と視触診を行い、当日のうちにマンモグラフィや超音波検査を行います。画像診断で良性か悪性かの判断はある程度は可能です。そのうえで必要であれば穿刺吸引細胞診、乳房MRI、組織生検を行い、診断を確定させることになります。吸引細胞診以上の検査には結果が判明するまでに約1週間を要します。

    乳癌検診について

    乳癌検診は科学的根拠を持って勧められる方法は、「40歳以上、2年ごとのマンモグラフィ」となっています。超音波検査など、そのほかの検査方法を用いた乳癌検診についてはいまのところ、検診が有効である(乳癌死亡を減らせる)という科学的根拠はありません。40歳代女性に対してマンモグラフィと超音波検査の併用による乳癌検診の有効性を評価する研究が現在進行しています。乳癌は自分で発見できる病気です。定期的な自己触診を行い、異常を感じたら専門医を受診することをお勧めします。

    乳癌と診断されたら

    1.局所療法
    1. 手術
    2. 放射線療法
    2.全身療法
    1. 化学療法
    2. 抗HER2療法
    3. ホルモン療法

    1.と2.の組み合わせで根治を目指した治療を行います。一般的な乳癌は手術だけでおしまい、ということはありません。全身治療は病気の状況によっては手術の前に行います。
    手術は全身麻酔で約5~10日の入院を要します。放射線療法は手術の後に行いますが、乳房温存手術の場合は原則として必要です。乳房切除術の場合は、リンパ節転移の有無によって放射線療法を追加を検討します。
    化学療法は手術前後に行いますが、約3-6ヶ月を要します。化学療法は入院は不要であり、外来で行います。ホルモン療法は手術と化学療法の後に行い、5-10年を要します。このように、乳癌は手術の後も長い経過の治療と経過観察が必要です。

    乳房再建について

    当院では形成外科と協同し、乳房再建術も適宜行っています。すべての症例が対象になるわけではありませんが、乳癌と診断され手術を受けられる場合はお気軽にご相談ください。

  • 甲状腺について

    当科では甲状腺のシコリに対して診断と治療を行っています。

    手術の対象となる甲状腺疾患

    甲状腺腫瘍で手術をするケースは大きく分けて2つあります。

    甲状腺乳頭癌
    もっとも頻度の多い癌であり、エコー所見や細胞診所見が特徴的なので診断はしやすいです。細胞診でも 特徴的な所見があり、乳頭癌と診断されれば確定です。しかし画像所見で乳頭癌が限りなく疑われても細 胞診では疑いにとどまることもしばしばあります。治療は原則として手術ですが、進行が非常にゆっくり であるため、1cm未満のものは無治療経過観察されることもあります。手術は大きさとリンパ節転移の状況 によって、リンパ節郭清を伴う甲状腺全摘術か甲状腺片葉切除術のいずれかを行います。
    濾胞性腫瘍
    楕円形の境界がはっきりした腫瘍で、大きく分けて濾胞腺腫と濾胞腺癌があります。細胞診では鑑別が困難であり、手術をしないとどちらか分かりません。3cm以上の大きさがある、経過観察中に大きくなっている、サイログロブリン値が高い、という所見であれば、濾胞癌の可能性を考えて手術(甲状腺片葉切除術)を考慮します。手術の結果、濾胞腺腫と濾胞癌が診断されます。
    濾胞癌には微小浸潤型と広汎浸潤型があり、広範浸潤型の場合は、補完全摘術(残っている甲状腺を切除)と、放射性ヨード内用療法を追加します。

    その他、機能性結節(プランマー病)やバセドウ病も手術の対象になることがあります。

    甲状腺の検査

    甲状腺のシコリに対しては、まず甲状腺超音波検査、血液検査を行います。甲状腺超音波検査の際、必要に応じて吸引細胞診を行います。吸引細胞診の結果が出るまでには約1週間を要します。

  • 気胸外来について

    当院は気胸に関して、より質の高い治療を提供できるよう、気胸外来を開設しました。気胸は突然発症が多く、救急対応が求められます。これまで当院は救急医療施設として、主には自然気胸に対する治療に取り組んできました。今後、気胸の診療体制を充実させ、より地域医療に貢献できるよう邁進してまいります。

    気胸とは

    胸腔内に空気が貯まる状態を気胸と言います。多くはブラと呼ばれる肺の表面にできた風船状の弱い部分が破れ、肺から空気が漏れることにより起こります。

    気胸の種類
    1. 自然気胸:特に誘因なく、ブラの破裂により生じる
    2. 続発性気胸:肺気腫など肺疾患が起因となる気胸
    3. 外傷性気胸:交通事故などの外傷により生じた気胸
    4. その他:月経随伴性気胸など

    気胸の治療

    軽度の気胸であれば、安静にて経過観察しますが、中等度以上の気胸に至れば、胸腔ドレナージという処置を行います。ドレナージ後空気漏れが止まらない場合や再発を繰り返す場合などには手術をおすすめしています。 手術は約1cm程度の小さな穴を3カ所あける胸腔鏡下手術にて、ブラを切除します。
    さらに再発予防のため吸収性シートで、ブラ好発部を補強するカバーリングを行います。

    外来診療日・時間

    担当医 中根 茂 (呼吸器外科)
    診療時間 水曜 9時~17時 受付(8時30分~16時)
    上記時間以外も対応させて頂きます

    お問い合わせ

    TEL 072-728-2177(地域医療室)
    TEL 072-728-2001(代表)
    FAX 072-728-8475

    ・紹介・予約制です。まずはかかりつけ医にご相談のうえ、ご連絡ください。