乳腺・甲状腺外科

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  • 科の紹介
  • 当科の特色
  • サポート体制、医療連携
  • 検査・治療案内
  • 外来診療一覧
  • 医師紹介
  • 乳がんについて(診断、治療の流れ)
  • 科の紹介

    当科では乳房の疾患、特に乳がんを中心に診療しています。乳がんの治療には診断、手術、再発を防ぐ治療があります。また、転移した乳がんではお薬による治療(薬物療法)が中心となります。特に薬物療法で再発は半分以下に減少することから、適切な治療を行うことはとても大切です。治療に伴う症状に対応し、できるだけ普段の生活を過ごしていただけるよう、チームでサポートするために乳腺センターとして診療にあたっています。

  • 当科の特色

    当院は地域がん診療拠点病院で、女性医師1名を含めた3名の乳腺専門医で診療しています。石灰化病変の診断に必要なステレオガイド下の針生検も可能です。乳房温存術では乳房の形(整容性)を考慮した手術を行っており、形成外科による乳房再建にも対応しています。また、遺伝性乳がんでは乳がんや卵巣がんのリスクが高く、特別な対応が必要です。血液検査で調べることができます。
    特に力を入れているのが薬物療法です。乳がんの治療法は複雑化しており、適切な治療を行うことは乳がんから助かるためにも重要です。3名の医師はいずれも乳がんの専門医であり、多くの診療実績を有しています。がんの特徴を判断し、その方に最も適切な最新の治療を提供いたします。

  • サポート体制、医療連携

    乳がんではたくさんの有効な薬剤が開発されています。効果は高い反面、薬剤によって様々な副作用を伴うことがあります。頻度は低いものの肺炎や皮膚、目の症状などがあげられ、当院では必要に応じて専門の診療科が対応いたします。また、脱毛や皮膚の黒ずみなど、日常生活における支障には、専門のスタッフが支援させていただきます。
    当院にて最新の治療を受けていただくことが可能ですが、より高度な医療(遺伝子パネル検査や治験など)が必要な場合は、大学病院と連携して対応いたします。また、クリニックの先生方とも情報を共有しながら最適な治療と術後の経過観察をさせていただきます。

  • 検査・治療案内

    当科で行っている主な検査です。

    がんを診断するための検査

    マンモグラフィーと超音波検査によって異常がないか、調べます。がんの疑いがあれば、針を刺して組織を採取し、病理検査でがんかどうか確認します。マンモグラフィーで見つかる石灰化の場合はステレオガイド下の針生検を行う特別な装置が必要ですが、当院にて可能です。

    がんの広がり、転移を診断するための検査

    乳がんの手術で温存できるかどうかは、がんの広がりで決まります。この広がりを診断するのに用いられるのが、MRI検査です。さらに他の臓器にがんが転移していないか、CTや骨シンチなどの検査を行います。

    当院にて乳がんの診断や治療に必要な検査を受けることが可能です。

  • 医師紹介

    三好 康雄(みよし やすお)

    三好 康雄(みよし やすお)
    • 役職:乳腺センター長
    • 専門分野:乳腺
    • 卒業年月:昭和59年3月
    • 所属学会・資格など:日本外科学会専門医、指導医
      日本乳癌学会乳腺専門医、指導医
      日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会乳房再建用エキスパンダー/インプラント責任医師
      日本人類遺伝学会
      日本臨床腫瘍学会
      日本癌治療学会

    担当医からのメッセージ

    乳がんの診療には診断、手術、薬物療法などがかかわるため、外科だけでなく内科的な診療も重要です。治療による負担をできるだけ軽減するようにチーム医療で対応します。前任地の兵庫医大では多くの治験に参加し、薬剤の開発にかかわってきました。大阪大学、兵庫医大での経験を活かし、地域の基幹病院として最新の医療を提供いたします。

    阿部 かおり(あべ かおり)

    阿部 かおり(あべ かおり)
    • 役職:医長
    • 専門分野:乳腺、甲状腺
    • 卒業年月:平成20年3月
    • 所属学会・資格など:日本外科学会専門医
      日本乳癌学会乳腺専門医
      日本乳癌学会乳腺認定医
      日本乳がん検診精度管理中央機構検診マンモグラフィ読影認定医師(A評価)
      日本乳がん検診精度管理中央機構乳がん検診超音波検査実施・判定医師
      日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会乳房再建用エキスパンダー/インプラント責任医師
      日本オンコプラスティックサージャリー学会
      日本乳癌検診学会
      日本遺伝性腫瘍学会
      日本ペインクリニック学会
      日本癌治療学会

    担当医からのメッセージ

    近年、乳がんにかかる方が増加しており、乳腺に異常を感じると多くの方が不安を抱くと思います。乳がん治療は身体的、経済的、精神的な負担が大きいため、その軽減をサポートいたします。どんなことでもお気軽にご相談ください。大阪大学での経験を活かし、最新の知見をもとに、皆さまの健康を守るお手伝いをいたします。

    山本 仁(やまもと ひとし)

    山本 仁(やまもと ひとし)
    • 役職:特任部長
    • 専門分野:乳腺
    • 卒業年月:昭和54年3月
    • 所属学会・資格など:日本外科学会専門医
      日本乳癌学会乳腺専門医・指導医
      日本乳癌検診学会
      日本乳がん検診精度管理中央機構検診マンモグラフィ読影認定医師(AS評価)

    担当医からのメッセージ

    乳腺疾患を担当します。長年の経験を生かし、乳がんの早期発見、個々の患者さんに適した最良の医療の提供を目指します。

  • 乳がんについて(診断、治療の流れ)

    乳がんの診断

    乳がんの診断にはマンモグラフィーと超音波検査があります。画像検査で異常があれば針を刺して組織を採取し、がんかどうかの病理診断を行います。マンモグラフィーで見つかる石灰化病変に関しては、ステレオガイド下の針生検という特別な検査が必要ですが、当院にて実施可能です。

    遺伝性乳がんかどうかの検査

    乳がんの発症に遺伝が関連している場合があります。血縁関係に乳がんや卵巣がんの方がいる、両方の乳房にがんができたなど、条件に当てはまる方は保険で遺伝子検査が可能です。遺伝が関わる乳がんとわかった場合は、この点も考慮して手術の方法や、術後の治療薬を決めます。

    手術の方法

    乳がんの手術には、乳房を温存する方法と乳房を切除する方法があります。温存の場合できるだけ乳房の形をきれいにするよう努めており、オンコプラスティックサージャリーという手技も取り入れています。乳房を切除した場合は、形成外科による乳房の再建(人工物やご自身の組織で乳房を作る)が可能です。また、センチネルリンパ節を調べて、転移がなければそれ以外のリンパ節を取らないことで、腕がむくまないようにしています。

    再発を防ぐ最適な治療法の選択

    手術の後の治療は、再発して命を落とすことを防ぐために、とても重要です。適切な治療を行うことで、再発は半分以下に減らせます。乳房を温存した場合やリンパ節に多くの転移があった場合は、乳房やリンパ節、切除した部位の近くにがんが残っている可能性があるため、術後に放射線治療を行います。
    また、手術の時点で小さながん(微小転移)が体の中に残っていると、転移につながります。この微小転移に対し、お薬の治療が有効です。主な治療薬はホルモン療法、化学療法(いわゆる抗がん剤治療)、抗HER2薬、分子標的薬と免疫チェックポイント阻害薬です。乳がんをホルモン受容体とHER2でタイプ分けを行い、それぞれのがんに合う治療薬を選択します。ホルモン受容体陽性・HER2陰性(ルミナールタイプ)では化学療法が有効なのは一部のがんに限られます。そこで化学療法が必要かどうか、遺伝子を調べることで判断します(オンコタイプDX検査)。またHER2陽性乳がんやホルモン受容体陰性・HER2陰性(トリプルネガティブ乳がん)では先にお薬による治療を行ってから手術をします。そして手術をしてお薬の効果が得られない場合は、さらに追加の治療を行います。
    また、一部の薬剤では効果があるかどうかを、BRCAという遺伝子検査や、遺伝子パネル検査という特別な検査で判断します。このような検査によって、適切な治療薬を選択することが可能です。

    将来妊娠を希望される方

    乳がんの手術には、乳房を温存する方法と乳房を切除する方法があります。温存の場合できるだけ乳房の形をきれいにするよう努めており、オンコプラスティックサージャリーという手技も取り入れています。乳房を切除した場合は、形成外科による乳房の再建(人工物やご自身の組織で乳房を作る)が可能です。また、センチネルリンパ節を調べて、転移がなければそれ以外のリンパ節を取らないことで、腕がむくまないようにしています。

    治療内容は個々の乳がんで違います。その方に最もあった治療法を選択することがとても重要です。我々の今までの経験を活かし、最新かつ最適な治療の実践を目指します。そしてできるだけ普段の生活を過ごしていただけるよう、他の診療科や多職種のメディカルスタッフがサポートいたします。当院で治療を受けてよかった、と言っていただけるよう努めてまいりますので、精密検査を勧められた方や乳房に異常を感じる方は、放っておかずにいつでも受診してください。

    乳腺センター、スタッフの詳細はこちらをご覧ください。