ヘルニアセンター

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    ヘルニアセンター

    腹部ヘルニアセンターのご案内

    当院では、2025年4月1日より「腹部ヘルニアセンター」を開設いたしました。本センターでは、鼠径ヘルニア、腹壁ヘルニア、臍ヘルニアをはじめとする腹部ヘルニア疾患を対象に、専門的かつ包括的な診療を行っています。

    センター開設の背景

    これまで腹部ヘルニアの患者さんは、症状や病変部位に応じて、外科・泌尿器科・形成外科など各診療科へ個別に紹介され、それぞれの科で治療が行われてきました。しかし、腹部ヘルニアは解剖学的構造や病態が複雑で、診断や治療方針の決定に総合的な判断が求められる疾患です。

    腹部ヘルニアセンターの開設により、診療科の枠を越えた視点から一元的・総合的な診断と治療方針の決定が可能となりました。

    腹部ヘルニアセンターの特徴

    専門的かつ総合的な診断

    腹部ヘルニアに精通した医師が中心となり、症状、画像検査、既往歴を踏まえて最適な診断を行います。

    患者さん一人ひとりに合わせた治療方針

    ヘルニアの種類や大きさ、再発の有無、全身状態や生活背景を考慮し、保存的治療から手術治療まで最適な方法を提案します。

    安全性と低侵襲性を重視した手術

    必要に応じて腹腔鏡手術などの低侵襲手術を取り入れ、術後の痛みや早期回復に配慮した治療を行います。

    再発予防を重視した治療戦略

    ヘルニアの成因を十分に評価し、長期的な視点で再発を防ぐ治療を目指します。

    対象となる主な疾患

    • 鼠径ヘルニア(外鼠径・内鼠径・大腿ヘルニアを含む)
    • 腹壁瘢痕ヘルニア
    • 臍ヘルニア
    • その他の腹部ヘルニア疾患

    小児鼠径ヘルニアへの対応

    当センターでは小児の鼠径ヘルニアについても診療を行っています。小児特有の解剖学的特徴や成長への配慮が必要となるため、大阪大学小児外科と連携し、専門的な知見に基づいた安全で適切な診療体制を整えています。診断から治療方針の決定、必要に応じた大阪大学医学部附属病院への紹介まで、保護者の方にも安心していただける医療の提供を心がけています。

    患者さんへ

    腹部ヘルニアは、放置すると症状の悪化や嵌頓などのリスクを伴うことがあります。違和感や膨らみに気づいた場合は、早めの受診をお勧めします。
    腹部ヘルニアセンターでは、患者さんに安心して治療を受けていただけるよう、分かりやすい説明と丁寧な診療を心がけています。腹部ヘルニアでお困りの際は、どうぞお気軽にご相談ください。

  • 鼠経ヘルニアについて

    鼠径ヘルニアってどんな病気?

    鼠径ヘルニアとは、足のつけ根あたりの筋肉や筋膜が弱くなった部位から、腸などの内臓物がはみ出してしまう病気のことです。まるで袋のようなものができ、その中に腸などが入り込んでしまうイメージです。
    加齢による筋肉や筋膜の衰えが主な原因で、高齢化に伴い増加している疾患です。鼠径ヘルニアは手術でしか治せません。
    当院の外科ではメッシュと呼ばれる人工物を、筋肉の表面もしくは内側に固定して、筋肉の補強を行う手術を、腹腔鏡下修復術と鼠径部切開法という2つの術式で行っています。
    当院では身体への負担が少なく安全な手術として確立されている腹腔鏡下修復術を積極的に取り入れており、6名の経験豊富な外科医師が手術に携わっています。

    鼠径ヘルニアは身近な病気

    鼠径ヘルニアは一般的にはあまり知られていませんが、年間13万人もの方が治療を受けている疾患で、意外と身近な 病気です。外科手術の中で最も多い手術で、当院では2023年には116件、今年に入ってからは9月までですでに76件の手術が行われています。
    男性の鼠径管の構造が弱いため女性より男性に多い病気です。

    なぜ起こるの?

    鼠径部にヘルニアが起こる原因は、大きく分けて先天的なものと後天的なものがあります。

    先天的な原因
    • 鼠径管の発育異常:男性の場合、お腹の中で胎児の時に精巣が降りてくる際にできる鼠径管というトンネルが、完全に閉じていないことがあります。この未閉鎖の鼠径管から、腸などが飛び出しやすくなります。
    後天的な原因
    • 加齢:男性の場合、お腹の中で胎児の時に精巣が降りてくる際にできる鼠径管というトンネルが、完全に閉じていないことがあります。この未閉鎖の鼠径管か ら、腸などが飛び出しやすくなります。
    • 腹圧がかかること:咳や便秘、重い物を持ち上げるなど、お腹に力を入れることで、ヘルニアが起こりやすくなります。
    • 肥満:お腹周りが太ると、内臓が圧迫され、ヘルニアが起こりやすくなります。
    • 慢性的な咳:慢性的な咳は、腹圧を慢性的に高めるため、ヘルニアのリスクを高めると言われています。

    どんな症状があるの?

    • 鼠径部にコブができる:立ったり、力むと、足の付け根にコブのように膨らみができます。
    • 痛み:軽度の痛みや違和感を感じる人もいます。 :軽度の痛みや違和感を感じる人もいます。
    • もどらない:飛び出した部分がなかなか戻らないこともあります。
    • 蔽繭:飛び出した腸が締め付けられ、血が通わなくなり、激しい痛みや吐き気、発熱などを伴うことがあります。これは緊急手術が必要な状態です。

    放置するとどうなるの?

    ヘルニアは、自然に治ることはありません。放筐すると、以下のようなリスクがあります。

    • 蔽繭:腸が締め付けられ、血が通わなくなります。
    • 腸閉塞:腸が詰まってしまい、腹部全体の痛みや、腹部膨満感や便秘が起こります。
    • 加齢:締め付けられた腸が壊死し、腹膜炎を起こす可能性もあります。
    • ヘルニア嚢の拡大:放置すると、ヘルニア嚢※が大きくなり、手術が難しくなる場合もあります。
      ※ヘルニア嚢とは、腹部が伸びてできた袋状の膜

    手術の種類

    腹腔鏡下修復術

    小さな穴3か所を用い、腹壁の内側からメッシュを敷く方法。

    手術方法

    • お腹に小さな穴を複数開け、腹腔鏡と呼ばれるカメラと手術器具を挿入します。
    • 腹腔鏡でヘルニアの部位を確認し、腹膜を切開してヘルニアの袋を露出させます。
    • 筋肉の表面もしくは内側をメッシュで補強し、腹膜を閉じて手術を終了します。

    メリット

    • お腹に小さな穴しか開けないことから、傷が小さく目立ちにくく、術後の痛みも比較的少ないため、早期に社会復帰することが可能です。
    • 腹腔内からヘルニアがある部分を観察することができ、片側だけでなく反対側のへルニアの手術が可能です。

    デメリット

    • 筋肉を覆ったメッシュが何らかの理由で開いてしまうと、小腸とメッシュが強く癒着して腸閉塞になることがあります。

    鼠径部切開法

    お腹を6~8cm程度切開し、皮下組織と筋肉を分けて、腸管が脱出する孔を見つけてメッシュを敷く方法。

    手術方法

    • 鼠径部の皮膚を切開し、ヘルニアの袋を露出させます。
    • ヘルニアの穴に、プラグ状のメッシュを挿入して補強します。
    • さらに周りの筋肉の表面に帯状のメッシュを挿入して再発の予防を行います。

    メリット

    • 古くから採用されている術式です。
    • 局所麻酔でもできる手術であり腹腔鏡下修復術に比べて手術時間力短くすみます。

    デメリット

    • 鼠径部を切開するため、腹腔鏡下修復術に比べて傷が大きく目立ちやすく、術後の痛みも強い場合があります。

    手術既往歴やリスクなどを考慮し、患者さん一人ひとりに合った術式をご提案します

    • 鼠径部が腫れていて痛みがあったリ、突っ張リ感などの違和感がある
    • 立った状態で鼠径部に膨らみがある。
    • 腸が引っ張られるような感賞がある。

    こういった症状があれば一人で悩まずに、まずはお近くのかかリつけ医にご相談いただき、当院への紹介状を作成してもらってください。

  • ロボット支援下鼠径ヘルニア手術の導入について

    鼠径ヘルニア手術と「術後慢性疼痛」という課題

    箕面市立病院の新たな取り組み

    これまで鼠径ヘルニアの手術は、

    • 鼠径切開法(足のつけ根を切開する方法)
    • 腹腔鏡下手術(小さな創からカメラと器具を用いて行う方法)

    が主に行われてきました。
    一方で、近年、手術成績が安定するなかで、「術後慢性疼痛」が新たな課題として注目されています。
    術後しばらく経っても違和感や痛みが続くことで、日常生活や仕事、運動に支障をきたす方が頻度は高くないものの、一定数の方にみられることが知られています。
    私たちは、「ヘルニアが治る」だけでなく、「手術後も快適に生活していただけること」が重要であると考えています。

    ロボット支援下鼠径ヘルニア手術とは

    ロボット支援下手術は、これらに続く新しい手術方法です。
    医師がロボットを操作しながら、立体的で鮮明な3D映像を見て、手首のように自在に動く多関節鉗子を用いて手術を行います。
    日本では、がん手術などで広く使われるようになってきましたが、鼠径ヘルニアへのロボット手術は、まだ限られた施設でのみ行われています。

    ロボット支援下鼠径ヘルニア手術

    術後慢性疼痛の軽減を目指した手術

    ロボット支援下鼠径ヘルニア手術の大きな特徴の一つは、
    神経や周囲組織への影響をできるだけ抑えた、精緻な操作が可能であることです。

    • 3D視野による正確な解剖の把握
    • 多関節鉗子による安定した繊細な操作
    • メッシュを糸で丁寧に固定することで、不要な刺激を減らす工夫

    これらにより、手術時間の短縮に加え、術後慢性疼痛のリスク低減につながる可能性が期待されています。
    実際に、「術後の違和感をできるだけ減らしたい」「将来的な痛みが心配」という患者さんにとって、ロボット支援下手術は一つの有力な選択肢となり得ます。

    当院での導入について

    箕面市立病院では、2025年12月8日に院内の倫理委員会で安全性や妥当性の審査を受け、ロボット支援下鼠径ヘルニア手術を正式に導入しました。
    当院では、消化器外科医が中心となり、これまでに腹腔鏡下手術やロボット支援手術で培ってきた経験を活かしながら、患者さん一人ひとりに適した治療選択肢を提供しています。

    ご理解いただきたい点

    ロボット支援下鼠径ヘルニア手術は、現時点では保険適用外(自由診療)となります。
    また、患者さんの状態によっては、他の術式がより適している場合や、安全を最優先に術中判断で術式を変更することもあります。
    当院では、メリットだけでなく、考えられるリスクや費用についても十分にご説明し、納得いただいたうえで治療方針を決定しています。

    箕面市の医療への貢献

    箕面市立病院は、地域の中核病院として、安全で質の高い医療を地域に提供することを使命としています。
    ロボット支援下鼠径ヘルニア手術の導入は、都市部だけでなく、箕面市および北摂地域の患者さんが、より多様で先進的な治療選択肢を身近な地域で受けられる体制づくりの一歩です。
    今後も当院では、新しい医療技術を慎重かつ適切に導入しながら、患者さんの負担軽減とより快適な術後生活の実現、そして地域医療の発展に貢献してまいります。

  • スタッフ紹介・メッセージ

    團野 克樹(だんの かつき)

    團野 克樹(だんの かつき)
    • 役職:部長
    • 専門分野:下部消化管(大腸)、内視鏡外科(大腸)、化学療法(大腸)
    • 卒業年月:平成11年3月
    • 所属学会・資格など:日本大腸肛門病学会専門医・指導医・評議員
      日本外科学会専門医・指導医
      日本消化器外科学会専門医・指導医
      消化器がん外科治療認定医
      日本消化器学会専門医
      日本内視鏡外科学会技術認定医(消化器・一般外科)・評議員
      ロボット手術プロクター(直腸・結腸)
      日本医師会認定産業医
      日本がん治療認定医機構がん治療認定医
      ダビンチサージカルシステム認定医
      近畿外科学会評議員
      日本臨床外科学会
      日本癌治療学会
      日本消化器内視鏡学会

    担当医からのメッセージ

    低侵襲で根治性の高い治療を目指し腹腔鏡下手術に取り組んでいます。また機能温存にも力を入れており、直腸がんに対しては可能なかぎり肛門温存手術を行います。ともに病と闘う仲間として、何でもご相談ください。

    深田 唯史(ふかた ただふみ)

    深田 唯史(ふかだ ただふみ)
    • 役職:医長
    • 専門分野:下部消化管(大腸・肛門)
    • 卒業年月:平成19年3月
    • 所属学会・資格など: 日本外科学会専門医・指導医
      日本消化器外科学会専門医・指導医
      消化器がん治療認定医
      日本がん治療認定医機構がん治療認定医
      日本大腸肛門病学会専門医
      ダビンチサージカルシステム認定医(Console Surgeon)
      日本臨床外科学会
      日本内視鏡外科学会

    担当医からのメッセージ

    大腸・肛門疾患を中心に診療に携わっています。それぞれの患者さんに最善の医療をご提供できるよう努力していきます。

    浦川 真哉(うらかわ しんや)

    浦川 真哉(うらかわ しんや)
    • 役職:医長
    • 専門分野:上部消化管(食道・胃)
    • 卒業年月:平成22年3月
    • 所属学会・資格など: 日本外科学会専門医
      日本消化器外科学会専門医・指導医
      消化器がん外科治療認定医
      日本がん治療認定医機構がん治療認定医
      日本内視鏡外科学会技術認定医(消化器・一般外科・胃)
      ダビンチサージカルシステム認定医(Console Surgeon)
      日本消化器学会専門医
      日本食道学会食道科認定医
      日本胃癌学会
      日本ヘルニア学会
      日本消化器内視鏡学会
      日本栄養治療学会(JSPEN)
      日本外科感染症インフェクションコントロールドクター(ICD)
      近畿外科学会評議員
      European Association of Endoscopic Surgery(EAES)

    野村 雅俊(のむら まさとし)

    野村 雅俊(のむら まさとし)
    • 役職:医長
    • 専門分野:下部消化管
    • 卒業年月:平成22年3月
    • 所属学会・資格など: 医学博士
      日本外科学会専門医
      日本消化器外科学会専門医・指導医
      消化器がん外科治療認定医
      日本大腸肛門病学会専門医
      日本消化器病学会専門医
      日本内視鏡外科学会 技術認定医(消化器・一般外科・大腸)
      ダビンチサージカルシステム認定医(Console Surgeon)
      ロボット手術プロクター(直腸・結腸)
      日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
      緩和ケア研修会 修了
      日本臨床栄養代謝学会 TNT研修会セミナー修了
      臨床研修指導医講習 修了

    東口 公哉(ひがしぐち まさや)

    東口 公哉(ひがしぐち まさや)
    • 役職:医員
    • 専門分野:肝胆膵外科
    • 卒業年月:平成24年3月
    • 所属学会・資格など: 日本外科学会専門医
      日本消化器外科学会専門医
      消化器がん外科治療認定医
      ダビンチサージカルシステム認定医(First Assistant)
      日本肝胆膵外科学会
      日本臨床外科学会
      日本癌治療学会
      日本腹部救急医学会
      日本ヘルニア学会

    担当医からのメッセージ

    肝胆膵疾患に対する手術や化学療法を安心して受けて頂けるよう、懇切丁寧な診療を心がけます。よろしくお願い致します。

  • 当院の実績

    期間:2024/4/1~2025/3/31
    診療科:全診療科

    算定項目 点数表区分番号 件数
    ヘルニア手術 腹壁瘢痕ヘルニア K6331 8
    臍ヘルニア K6333 1
    鼠径ヘルニア K6335 43
    鼠径ヘルニア・閉鎖孔ヘルニア K6338 1
    腹腔鏡下ヘルニア手術 腹壁瘢痕ヘルニア K6336-21 2
    大腿ヘルニア K6336-22 4
    閉鎖孔ヘルニア K6336-25 2
    鼠径ヘルニア(両側) K634 57
    総計 118