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内視鏡手術支援ロボット「ダビンチ」を導入しました

前立腺がんに対し、ダビンチによる摘出手術が実施できます!

当院では、より高度で、かつ患者さまの体の負担の少ない前立腺がん手術に対応するため、平成27年4月、内視鏡手術支援ロボット「ダビンチ」を導入しました。今後さらに増加すると見込まれている前立腺がん患者さまの治療に新たな選択肢を提供できるようになりました。

<北大阪エリア内のダビンチ設置状況(平成27年4月現在)>

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箕面市立病院 ダビンチ・チーム

箕面市立病院 ダビンチ・チーム

ダビンチとは?

アメリカ生まれの最新鋭の手術支援ロボットです。世界的には泌尿器系、消化器系、婦人科系などのがんの手術などで利用されており、日本では平成24年に前立腺がんの全摘出術、平成28年に腎細胞がんの腎部分切除術が保険診療として認められました(平成28年7月現在)。

ロボットが手術をするのですか?

ロボット手術とはいっても、機械が自動的に手術を行うわけではありません。医師が自分の手を動かすような感覚でロボットを操作します。
コンソール(写真①)に座った医師がロボット(写真②)を遠隔操作し、3Dモニタに映る立体画像を見ながら手術を行います。助手、看護師などはビジョンカート(写真③)の画像を見ながらアシストします。

  • 写真①

  • 写真②

  • 写真③

ダビンチ手術のここがすごい!

ダビンチで表示される3D画像は高画質で立体的なハイビジョンシステムです。従来の腹腔鏡の画像より見やすく、細かい作業も肉眼より正確に行うことができます。

また、ダビンチでは患者さまの体内に差し込む手術器具の先端が自由に曲がるため、切除や縫合などをより精密、安全に行うことができます(写真④)。

  • 出血量が少ない
  • 傷口が小さく、術後の痛みが少なく回復が早い

という利点に加え、ダビンチでは

  • 出血量がさらに少なくなり、入院期間が短縮
  • 術後の合併症の減少

も期待されます。

写真④

ダビンチ手術の費用の負担はどれくらいかかりますか?

前立腺がん手術 14~16日の場合(入院期間が月をまたがない場合)

年齢 高額療養費制度 腹腔鏡手術 ダビンチ手術
70才未満 利用なし 約480,000円 約520,000円
利用あり 約100,000円 約100,000円
70才以上(一般所得者の場合) 約45,000円 約45,000円

※健康保険を使用して前立腺全摘出術を行った場合で、入院期間が月をまたがない場合の手術・入院費用を試算したもの(個室料、食事代等を除きます)。

※ご加入の健康保険の種類や所得により異なる場合がありますので、詳しくはご相談ください。

※腎細胞がんの腎部分切除術の費用につきましては、かかりつけ医へご相談ください。

ダビンチでどんな手術ができますか?

現在は前立腺がんの全摘出術、腎細胞がんの腎部分切除術のみが保険診療として認められていますが、将来的には胃がん、腎臓がん、咽喉頭がん、大腸がん、肺がん、子宮頸がんなどが、保険診療として認められるよう準備が進められています(平成28年7月現在)。

患者さまインタビュー:前立腺がん/取材時64才

平成27年5月、当院で初のダビンチ手術が行われました。無事に手術を終え、主治医の高田医師(泌尿器科部長)が患者さまにお話を伺いました。

前立腺がんと診断されるまで

  • 高田医師:
    PSA検査※1を受けたきっかけは何でしたか?
  • 患者さま:
    1月に、知人のすすめもあり、医療保健センターの健診時に検査しました。
    まさかひっかかるとは思っていませんでした。
    PSAは4.5でしたが、がん家系ではないので、がんというのは頭の中にありませんでした。

  • 高田医師:
    「MRI、生検※2をしましょう」と言われた時はどう思いましたか?
  • 患者さま:
    PSAが8の友人が前立腺肥大症だった※3ので、MRIを撮った時も、前立腺肥大症だろうと思っていました。
    「生検しましょう」と言われて、初めてがんかもしれないと思いました。
    がんの確定診断を聞いたときは非常に混乱しました。
    先生の説明が頭に入らないくらい動揺しました。

    (※1前立腺がんの腫瘍マーカー)
    (※2組織の一部を切り取って詳しく調べる検査)
    (※3前立腺肥大症でもPSAの数値が上昇します)

治療方針の決定まで

  • 高田医師:
    当初は手術ではなく放射線治療を希望されましたね。
  • 患者さま:
    先生からは手術を勧められました。転移の有無、CT、骨シンチ※4 の結果に基づいて手術がベストだと言われましたが、私は少し時間をもらって、決定を延ばしてもらいました。

    その間に図書館やインターネットでいろんな情報を集めました。
    そして、初期であれば、手術を避け小線源※5が良いと考えました。

    先生には「腫瘍が両葉にあり、放射線療法では根治の可能性が低いので手術が良い」と言われました。
    その時に先生からダビンチ手術について熱心かつ説得力ある説明があり、「受けよう」と腹を決めました。

    (※4骨へ転移していないか調べる検査)
    (※5放射線を出す小さな線源(カプセル)を前立腺内に挿入して埋め込み、前立腺の内部から放射線を照射する治療法)

不安だったこと

  • 高田医師:
    手術前、不安はありましたか?
  • 患者さま:
    箕面市立病院で私がダビンチ手術の第1号になるということで、大丈夫かな、という不安はありました。
    でも、先生がたがトレーニングを十分積んでいて、当日はダビンチ手術の経験が豊富な先生に手術に入ってもらえると聞いて、安心して手術に臨むことができました。

<ダビンチ・チームによる研修の様子>

  • ダビンチ・チームによる研修の様子

  • ダビンチ・チームによる研修の様子

術後の痛みについて

  • 高田医師:
    術後の麻酔が醒めて、お腹の傷を見てどんな感想でしたか?
  • 患者さま:
    手術で開ける穴は6ヵ所と聞いていました。
    目が覚めて、お腹のテープを見て「あ、ここに穴が開いたのか」と思いました。
    麻酔が切れても傷口が痛むとかはなくて、咳をした時などに少し痛んだ程度でした。
    痛みはかなり早期に解消しました。

  • 高田医師:
    実は、ダビンチは傷口が小さく術後の痛みも少ないので、麻酔医と相談し、身体に負担のかかる背中からの麻酔は使いませんでした。
  • 患者さま:
    そうなんですか。痛みについては、本当に楽でした。

ダビンチ手術の利点

  • 高田医師:
    前立腺がん患者さまへ、メッセージをお願いします。
  • 患者さま:
    まずかかりつけ医に紹介状を書いてもらって、箕面市立病院を受診するようお勧めします。高田先生ほか、優秀なチームの皆さんがおられるし、ダビンチ手術も選べるので。その人にとって手術がベストなのであれば、ダビンチがいいと思います。

  • 高田医師:
    術後の身体の様子で、何か感じたことはありますか?
  • 患者さま:
    カテーテル※6が取れてまだ3日目ですが、尿漏れパッドを確認した看護師さんから「尿漏れが少ないですね」とびっくりされました。他の手術とは比較はできないですが、いい状態なのかなと思っています。

    (※6尿道から膀胱にたまった尿を体の外に出す管)

  • 高田医師:
    術後1年時点の尿失禁の割合はどの手術方法でもほぼ同じですが、術後すぐの超早期(2週間)、早期(3ヶ月)の期間については、ダビンチ手術では尿失禁からの回復が早いとされています。尿失禁はお仕事をされている方にはとくに重要な問題ですから、ダビンチ手術の大きなメリットだと思います。

    早く、心おきなく趣味のハイキングに行きたいですよね。
    明日は退院です。次の外来検査でPSAの値がぐっと下がっていることを期待しています。
    ありがとうございました。

(二人、固い握手を交わす)