箕面市立病院説明及び同意の取得に関するガイドライン
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箕面市立病院説明及び同意の取得に関するガイドライン
1.目的
このガイドラインは、医療法(昭和23年法律第205号)第1条の4第2項及び医療法施行規則(昭和23年厚生省令第50号)第9条の20の2第1項第4号の規定に基づき、箕面市立病院(以下「病院」という。)における医療行為等について、医師、薬剤師、看護師その他の医療の担い手(以下「医療者」という。)が適切に説明を行い、それに対して患者等が十分に理解したうえで、自らの意志で選択し、同意を行えるよう必要な事項を定める。
2.医療行為等の説明に関する責任者
- 病院に、医療行為等の説明に関する責任者(以下「医療行為等説明責任者」という。)を置く。
- 医療行為等説明責任者は、診療情報管理委員会の委員長かつ常勤の医師の資格を有する者をもって充てる。
- 医療行為等説明責任者は、「3」及び「4」に掲げる事項に関する遵守状況を定期的に確認し、その結果、適切でない事例が認められる場合は、必要な指導及び周知を行う。
3.説明及び同意の取得が必要な医療行為等
-
医療者は、次の各号に掲げる事項を含む医療行為等を行う場合は、患者等に対して必要十分な情報を提供し文書で説明を行うとともに、同意書を取得しなければならない。
- 手術
- 全身麻酔、硬膜外麻酔、脊椎麻酔その他手術室で実施するもの
- 輸血
- 内視鏡検査、造影剤使用検査等の侵襲性の高い医療行為等
- 身体抑制
- 化学療法、抗血栓薬の休薬と継続、保険適応外持込み等の薬物治療
- 入院診療計画書等の入院に関すること
- その他文書による説明が必要と判断される医療行為
- 前項に掲げる事項を含まない医療行為等を実施する場合においては、必要に応じて十分な説明を行い、同意書を取得するものとする。
4.説明内容
「3」に規定する説明の実施及び同意の取得は、次の各号に掲げる内容について行うものとする。
- 患者の診断名、現在の病状とその原因、提案する治療又は検査の必要性及び治療又は検査を行わなかった場合の予後、必要とする入院期間、費用等に関する事項
- 治療又は検査を行った場合に期待される効果及び危険性の程度、内容、死亡リスク等に関する事項
- 報告されていない副作用や有害事象等、想定されていない事態が発生した場合の対処に関する事項
- 患者個人における、問題となる因子に関する事項
- 治療を行わない場合の予後予測とデメリットに関する事項
- 他に選択枝として考えられる診断・治療又は検査の内容、期待される効果及び予測される危険性の程度に関する事項
- 患者自身の自己決定権、自由な意志の尊重、他科の医師又は他の医療機関のセカンドオピニオンの保証に関する事項
- その他必要であると認められる事項
5.説明場所及び時期
「3」に規定する説明の実施及び同意の取得は、プライバシー保護に配慮し、個室等において、適切な時期に行うものとする。
6.同席者
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「3」に規定する説明の実施及び同意の取得は、次に掲げる各号の治療や検査においては、看護師が同席するものとする。ただし、やむを得ず看護師の同席が困難な場合は、説明者が説明書及び同意書に沿って当該患者の同意及び理解状況を確認し、その旨を診療録に記載することをもって行うことができる。
- 入院を伴う悪性腫瘍手術(麻酔科の管理を要するもの)
- 化学療法
- 身体抑制
- 中絶手術
- 患者本人の理解力、意志決定能力が十分でないと判断される場合及び未成年者の場合は、患者自身が認めた者、親権者又は法定代理人の同席を求めることとする。
7.説明方法
医療行為等の説明にあたっては、次の各号に掲げる方法に留意して行うものとする。
- 患者等と対面で行う。
- 専門用語は極力使用せず、平易な表現を用いるとともに、必要に応じて図や模型等を利用する。
- 患者の意向を尊重し、理解状況を確認しながら説明する。
- 医療者が推奨する医療行為を強要又は誘導しない。
- 患者が障がいを有する場合にあっては特段の配慮を行う。
- 患者からの質問の機会を妨げず、考える時間を十分に与える。
8.同席者の同意
- 患者本人の理解力、意志決定能力が十分でないと判断される場合にあっては、当該患者の意思を推測して代弁できる者の同意を得た上で、患者、説明者及び同席者が署名をするものとする。ただし、代弁できる者が不在である場合等同意書の取得が困難である場合は、診療科主任部長(主任部長が不在の科においては、その科の責任者。(以下同様とする))及び多職種の医療者からなるチームで患者にとって何が最善の方針であるかを協議し、最善の方針をとるものとする。
- 患者が未成年者の場合は、原則、親権者の同意を得るものとする。親権者が複数いる場合には、すべての親権者から同意を得るものとする。
- (1)及び(2)の同意は、患者の意思を推測して代弁できる者であれば、続柄は問わないが、患者にとって身の回りの世話をする者や医療費を支弁する者等の身近な近親者から取得することが望ましい。
9.生命及び身体に関わる緊急の場合の同意の省略
患者の生命・身体に重大な影響を及ぼす緊急の場合については,可能な限り診療科主任部長の合意を得たうえで、医師の判断によって当該医療行為等を優先する。後日、患者への説明が可能になった場合は速やかに説明を行わなければならない。
10.同意書の取扱
病院は、取得した同意書二部のうち一部を適切に保管するとともに、一部を患者に交付しなければならない。
11.説明及び同意取得の頻度
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医療行為等の説明及び同意の取得後であっても、次の各号に掲げる場合においては改めて説明を行い同意を得るものとする。
- 患者が再度説明を希望する場合
- 患者の容態に応じ、治療方針を変更する場合
- 繰り返し同じ検査・治療を行う場合で、初回説明時に予定や実施する周期を同意書に明記した上で説明を行い、同意が得られている場合は、改めて同意を得る必要は無い。ただし、輸血や造影剤検査は除くものとする。
12.診療録の記録
- 医療者は、説明した日時、説明を受けた者、説明内容、患者及び病院の同席者名、質疑応答内容、患者の反応と理解並びに同意の有無について診療録に記録する。
- 同意書を取得できず当該医療行為を行った場合は,同意の取得に係る経過を記載するとともに、当該治療が患者にとって最善の治療法であることの理由を診療録に記録する。
13.同意の撤回
- 患者が医療行為等について同意した後に、患者から同意撤回の申し出があった場合は、同意を撤回することができる。
- 医療者は患者から同意撤回の申し出があった場合には、同意の撤回があった事実や、経緯及び撤回日時を診療録に記録する。
附 則
このガイドラインは、令和5年6月26日から施行する。